top of page

Recent news

P8170822.JPG

ダム下流に土砂を流す

Oct 14, 2023

主著論文が受理されました。長野県天竜川水系小渋ダムに建造された土砂バイパストンネル(SBT)運用の効果を調べた研究になります。SBTはダム上流と下流をトンネルでつなぎ、洪水時にダム湖を迂回して下流に土砂と水を直接流すダム再生事業の一つです。この事業の効果として、ダム湖に貯まる土砂を減らすことで貯水容量を確保できること、ダム下流で不足しがちな小中サイズの土砂を供給できることが挙げられます。本研究では、ダム下流への土砂供給とそれによる河川生態系の変化を5年間おいました。計12回の運用によって、徐々にダム下流の河床環境と生物相はダムのない自然河川のものに近づいていきましたが、まだ回復途上でした。このことから長期的に運用を繰り返すことがダム下流生態系の再生に必須であることが分かりました。下記リンクで閲覧のみ可能です。

https://onlinelibrary.wiley.com/share/author/ZMXM25AEWSZ7CXWP4GUK?target=10.1111/rec.14049

P4252422.JPG

森林河川が攪乱後の回復を支える

Sep 23, 2023

主著論文が公開されました。大学時代の研究で、北海道北部の川で雪解け洪水が水生昆虫に及ぼす影響とその後の移動をトビケラ一種の遺伝子から明らかにした研究になります。洪水によって、トビケラの個体数は流域内の農地が多い川ほど大きく減少しました。しかし、半年後にはほぼ洪水前と同じ個体数に回復しており、その個体は主に洪水の影響が小さかった森林河川から移動してきていることが分かりました。激甚化する気候変動下で、流域内の森林を維持・管理することが、流域全体での水生生物の保全に重要になります。以下のリンクで閲覧のみ可能です、論文pdfをご希望の方はお問合せ下さい。

https://rdcu.be/dj9Xa

IMGP1169.jpg

河川基金2022年度成果優秀賞受賞

Aug 25, 2023

8月25日に開催された河川基金成果報告会において、2022年度の助成研究成果が優秀賞を受賞しました。前職である自然共生研究センターが所有する野外実験河川と地下水ポンプを用いて、水温操作実験を行った成果になります。2本の川の片方に地下水と河川水、もう片方に河川水のみを流すことで、地下水流入による水温の変化が河川生物にどのような影響を及ぼすのか検証しました。地下水を流した川は夏は冷たく、冬は暖かい安定した水温を示しており、その水温に呼応するように夏は魚類が多くなり、冬は魚類・水生昆虫・羽化昆虫が多くなる結果となりました。水温は高すぎても低すぎても生物の生存に不利になるため、湧水河川は気候変動下における極端な高低温からの温度避難場(thermal refugia)として重要な役割を担うことが期待されます。

https://www.nies.go.jp/whatsnew/2023/20230831-1.html

bottom of page