8月25日に開催された河川基金成果報告会において、2022年度の助成研究成果が優秀賞を受賞しました。前職である自然共生研究センターが所有する野外実験河川と地下水ポンプを用いて、水温操作実験を行った成果になります。2本の川の片方に地下水と河川水、もう片方に河川水のみを流すことで、地下水流入による水温の変化が河川生物にどのような影響を及ぼすのか検証しました。地下水を流した川は夏は冷たく、冬は暖かい安定した水温を示しており、その水温に呼応するように夏は魚類が多くなり、冬は魚類・水生昆虫・羽化昆虫が多くなる結果となりました。水温は高すぎても低すぎても生物の生存に不利になるため、湧水河川は気候変動下における極端な高低温からの温度避難場(thermal refugia)として重要な役割を担うことが期待されます。
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